今季2度目の先発マウンドに上がった阪神藤浪晋太郎投手(26)が6回7安打1失点6奪三振の粘投を見せた。勝利投手の権利を持って降板したが、3番手の加治屋が同点の2点適時打を浴び、今季初白星はならなかった。

「苦しい場面が多く、きれいなピッチングとはいきませんでしたが、なんとか粘ることができて良かったです。あと1イニングは投げてリリーフの方へバトンを渡したかったですが、そこを課題点として次も頑張りたいと思います」。この日最後に対戦した打者は、昨季までチームメートだった福留。代打で打席に立ったベテランを相手に、この日最速の158キロ直球を内角低めに決めて見逃し三振を奪った。

初回、先頭の大島への初球は154キロ直球。2球目で156キロを計測し、4球目の157キロ直球で遊ゴロ。続く俊足の高松は148キロスプリットで投ゴロに打ち取り、自ら一塁ベースを踏んだ。最後は高橋周をカットボールで一ゴロに打ち取り、12球で初回を終えた。

2回は4番ビシエドに2球カットボールを続けて右飛。平田は152キロ直球で二ゴロ。京田に右中間を破る三塁打を許すと、続く木下拓への3球目、一瞬振りかぶろうとした動作を止め、ボークの判定を受けた。これで三塁走者の京田が生還。木下拓を空振り三振に仕留めただけに、悔しい失点となった。

逆転に成功した直後の3回は、大阪桐蔭の後輩にあたる根尾と1軍で初対決。フルカウントからカットボールで見逃し三振に仕留めた。投手福谷に左前打を許したが大島、高松をフライに打ち取り無失点に抑えた。

4回は1死から、ビシエドに右中間へ二塁打、平田に右前打と連打を許して1死一、三塁。暴投と京田への四球で1死満塁とピンチを広げたが、木下拓を153キロ直球で空振り三振。最後は根尾を二ゴロに仕留めて得点を与えなかった。

5回は俊足の高松に内野安打、高橋周に中前にはじきかえされ、さらにビシエドに四球を与えて2死満塁。迎えた平田を直球2球で追い込むと、カウント1-2から最後は内角高めの153キロ直球で空振り三振。大きなピンチをしのぐと藤浪も捕手の梅野も力強くこぶしを握り、ベンチでは福原投手コーチが拍手した。

6回は2死から根尾にこの日初安打を許すと、打席には代打福留。昨季までチームメートだった大先輩を直球2球で追い込んだ。最後は5球目、この日最速となる158キロ直球を内角低めに決めて見逃し三振。最高のボールで抑え込んだ。

プロ9年目で初めて開幕投手を務めた3月26日ヤクルト戦(神宮)では、5回2失点と粘投。白星はつかなかったが、チームの勝利につなげていた。