西武中村剛也内野手(37)が、今季1号の「4番弾」で鷹を仕留めた。左太もも裏の肉離れで登録抹消中の山川に代わり今季初の4番に入ると、3回に3ランで突き放した。昨季は本塁打9発中4発がソフトバンク戦という好データが、そのまま結果に結びついた。

04年から18年連続アーチ。投げては高橋光成投手(24)がソフトバンク戦自身10戦連続負けなしで7連勝。投打の鷹キラーが敵地でかみ合い、首位をキープした。

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いくつになっても、4番が似合う。1点を奪い、なお1死一、二塁で迎えた3回の第2打席。中村は先制直後の場面で、初球から打ちにいった。「甘い球がきたらしっかり打とうという気持ちで打席に入っていました」。ソフトバンク石川の高めに甘く入ったカーブを、左翼席へ運んだ。今季1号となる3ランは、19年9月以来、1年半ぶりとなる「4番弾」。連敗中のソフトバンクから序盤に主導権を握る1発となった。

期せずして、首位攻防戦となった。試合がなかった前日1日に鷹&鷲の上位がそろって敗れ、首位に浮上した。ペナントを争う上で、常に宿敵として立ちはだかるソフトバンク。しかも昨季借金6の敵地。山川、栗山をけがで欠く事態に、辻監督は「今日、このメンバーでいこうと決めたときに4番は誰だと言ったら、やっぱり中村ですよ。ここでは何かすごい満塁ホームランも出てるし、すごく相性がいいのかも。このメンバー見たら中村でしょ」と迷いなく託した。

昨季は9本塁打のうち4本が対ソフトバンク。鷹打ちは心得ている。中村は「ソフトバンクの投手は能力が高い。考えて打てへん。来た球をしばきあげるだけ。それしかない」とシンプル思考でバットを振る。左ふくらはぎ痛による2軍調整から開幕直前に間に合わせて6戦目。主軸2人が不在の今、バットには4番の責務も背負う。「チームの4番がいなくなったし、栗山もいないんで、何とかバッティングで引っ張れるようにと思ってやっています」。25歳の初4番弾から通算247発目。首位をひた走りながら、まだまだ伸ばしていく。【栗田成芳】

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