悩める4番が確変を起こした。ロッテ安田尚憲内野手(21)が日本ハム戦で今季1号2ランを含む2長打で4打点をマークし、前日1日の楽天戦と合わせて9打点の大暴れ。チームも連日の16得点と大勝し、最下位を脱出した。

12球団唯一の開幕5連敗と沈み込んだのもつかの間、若き4番の発奮とともに連勝街道を走り始めた。

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安田が第1打席のファーストストライクをたたき、先制点を呼び込んだ。1回1死一、二塁で日本ハム吉田の直球を右翼フェンスまではじき返す適時二塁打。「先制のチャンスだったのでよかった。次も打てるように頑張ります」と、球団を通じてコメントを出した直後。有言実行した。

続く2回2死二塁はスライダーを右中間席に運ぶ今季1号2ラン。この回5点目を加えた。シーズン20発を掲げる中で最初の1本。「だいぶホームランも打ってなかったのでホッとしてます。こういう内容のある打席を増やしていきたい」。待ち焦がれていた感触だった。

前夜から打点を「荒稼ぎ」(井口監督)だ。1日の楽天戦は2二塁打で5打点。この日と合わせ2日間で9打点を計上した。5試合で17打数1安打だった3月とはまるで別人。「去年はダメだった時、自分のスイングを変えていた。今回は変えずに続けたのが結果的によかったのかなと思います」。以前は毎回フォームが違うこともあった。今度は自分を貫いた。

オープン戦終盤に調子を上げ、球団史上最年少の開幕4番に抜てきされた。しかし、自分が打てずにチームは5連敗。「自分が1本出していたら勝てた試合もたくさんあった。悔しい気持ちをぶつけながらという感じでした」。この日も4打点目は二ゴロで三塁走者を迎え入れた。「凡打で打点がつくのは、先輩たちがチャンスをつくってくれたおかげ」。おごらない。

奮起した4番を象徴するように、活気づいた打線の勢いは止まらなかった。史上4度目となる2試合連続16得点で大勝。井口監督は「ホークスの時は(大差の連勝)いっぱいありましたけど」と笑いながらも「ようやくみんなつながってきた」と労った。開幕5連敗と、しんどい助走をつけての大きな大きな2連勝。ここからひた走る。【鎌田良美】

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