球界現役最年長の中日福留孝介外野手(43)が、中日復帰後初となる今季初安打をマークした。古巣阪神との2戦目は平田に代わって、「5番・右翼」で初のスタメン出場。初安打を含め2度の守備機会も無難にこなし健在ぶりを見せつけた。

初安打は揺さぶりのジャブから始まった。2回1死無走者、阪神先発青柳の初球スライダーにバントの構えで見送った。フルカウントまで粘ってからの7球目を強振すると、打球は左中間フェンスを直撃。二塁に到達すると小さく拳でガッツポーズ。一塁ベースコーチの荒木内野守備走塁コーチとグータッチで喜びを分かち合った。

「1本出てホッとしたのが1番。(ガッツポーズは)自然と出たと思う」。9971人が見守った中で、中日の選手としては、07年7月16日ヤクルト戦以来、5010日ぶりのヒットだった。

福留の14年ぶりの中日復帰は、ナインにさまざまな効果を与えている。8回2安打無失点と好投した柳もその1人。3月27日の広島戦で4回3失点降板後にベンチでアドバイスを送り、2日にも練習中に助言。開幕から8試合連続安打の大島も「アドバイスをもらう」と話す。

平田、根尾をベンチに下げ、福留を初めてスタメン起用した与田監督も「第1打席でやっといい形のヒットも出た。一安心。オーダーは時と場合によって考えていきたい」と、今後もスタメン起用を含め積極的にベテランを活用することを明言した。

昨年阪神から戦力外を通告され、12月中旬に中日入団。空白の期間には現役引退も頭をよぎり「それも自分の野球人生。仕方ない」と家族と話し合った時期もあった。球団創設85周年での10年ぶりのV奪回が竜の悲願。ベテランが貴重なピースとして輝きを増してきた。【伊東大介】

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