日本ハム加藤貴之投手(28)が好投も、報われなかった。4日ロッテ3回戦(札幌ドーム)に先発。5回に先制点を許したが、その後は絶ち切り、プロ最長の8回を1安打1失点。最少失点にとどめ、8回に味方打線が追いつく流れを呼んだ。試合は今季2度目の引き分けに終わった。

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プロ入り最長の壁を、軽々と越えた。加藤が、初めて8回のマウンドに立った。1点差を追う終盤、失点を許した田村を投ゴロに抑えるなど3者凡退。8回1安打1失点、球数88で普段通り、ひょうひょうと投げ抜いた。その裏、味方打線が追い付いた。規定により、9回引き分けで勝ち負けはつかなかったが、同点への流れを引き寄せた。

失点シーンでは、わずかな心の弱さが表れた。5回。2四球が絡み2死一、二塁に広げると、田村に先制の左翼線二塁打を浴びた。「先制点を与えてしまったので、自分でも悔いは残ってます」。中盤まで、ロッテのルーキー鈴木と投手戦を展開。手痛い先制点を許した。「ちょっと流れが良くないと思ってましたし、ちょっと自分が弱気になったというか、攻め切れなかった」と、四球が大きく響いたことを悔やんだ。

栗山監督は「カトちゃんらしく、球数少なく。本当によく投げてくれた」とたたえた。指揮官が「先発投手に直前に声を掛けるのは、カトちゃんくらい」と、場面を選ばず声を掛けるほど信頼を寄せている1人。加藤は開幕カード2戦目、当初は楽天田中将と投げ合う予定だった試合を託されるなど、今季の先発ローテではエース上沢に次いで存在感を放っている。

チームは同一カード3連敗を阻止したが、8試合を終えて1勝5敗と苦しんでいる。6日ソフトバンク戦(札幌ドーム)からは今季初の6連戦に挑む。加藤は「負けてますけど選手1人1人、一生懸命やっている。僕も一生懸命そういうのを感じながらやります」とチームの思いを代弁し、仕切り直しを誓った。【田中彩友美】

▼加藤がプロ入り最長の8回を投げた。加藤は通算84試合目の先発だったが、すべて途中降板で完投がない。初登板からの連続先発完投なしの記録は、15年から継続中のバンデンハーク(現ヤクルト)がマークした84試合で、最長記録に並んだ。

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