巨人の4番が、ついに目を覚ました。岡本和真内野手(24)が1回に1号先制2ランを放った。自身最も遅いシーズン56打席目での1発で活気づいた打線は、今季最多の12安打で9得点。12試合続いていた3得点以下をストップし、球団ワースト記録更新を阻止した。勝率も5割に復帰。9回にも適時打を決めた昨季のセ・リーグ2冠王とともに、巨人が上昇気流に乗る。

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久々に両手に会心の手応えを感じ、ボールを見上げながらゆっくりと走りだした。1回2死一塁、岡本和はフルカウントから広島野村の136キロ直球を強振。本塁から中堅方向に吹く風に乗せ、バックスクリーン右へ放り込んだ。自身最も遅い、56打席目での1号アーチに「打った瞬間(の感覚)はすごく良くて。何とかつなごうと思ったのがホームランになって良かった」とうなずいた。

4番として元気のない打線の責任を痛感していた。一時は18打席連続無安打に倒れるなど、打率1割5分9厘まで沈んだ。自身の成績と比例するようにチームも勢いを失い、10日には12試合連続3得点以下の球団ワースト記録に肩を並べた。徐々に調子を取り戻しつつあったが、試合前時点での得点圏打率は、1割7分6厘にとどまっており「初回になかなか点を取れていなかった。それは僕が止めていた。結構チャンスがありましたし。何とかしたいなと思ってました」。もどかしい気持ちに耐え続けた。

主砲の先制アーチが流れを呼び込み、眠っていた打線が一気に爆発した。打線の組み替えも実り9得点。元木ヘッドコーチは「実ったというか、初回の和真のホームランが大きい」と4番の働きを評価し「まだまだ本来の姿じゃないから。もっともっと上げていってもらわないと」と、浮上のきっかけにすることを期待した。

1発だけでは終われない。9回にはだめ押しの一打を放った。1死一、二塁から今季チーム最多の11安打目となる左前適時打を放ち、この日3打点目をマーク。代走を送られ、ナインから迎えられると笑みがこぼれた。「何とか今日は結果が出て良かったです」と胸をなで下ろした。昨季のセ2冠王が2年連続のタイトル獲得へようやく一歩を踏み出した。右肩上がりに調子を上げ、チームを勝利へと導いていく。【久永壮真】

▼4番岡本和が開幕から15試合、56打席目で今季1号。16年に10打席、17年に35打席で本塁打0の岡本和だが、本塁打を打ったシーズンでは19年の19打席目を抜いて最も遅い1号だ。この日の2本を加え、巨人の今季本塁打を打順別に出すと、1番2本、2番2本、3番0本、4番1本、5番0本、6番2本、7番2本、8番1本、9番0本、途中出場1本。岡本和の1発は今季のクリーンアップ初アーチ。開幕15試合目でクリーンアップ1号は、2リーグ制後の巨人では15年の17試合目に次いで2番目に遅かった。

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