巨人今村信貴投手(27)が3年ぶりの完封勝利で連敗を止め、チームの勝率を5割に戻した。

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3年間、この瞬間を待っていた。9回2死、巨人今村は矢野の投ゴロを処理すると、左拳を握った。マスク越しでも捕手大城の喜ぶ顔が見える。「3年ぶりだったので懐かしいというか、とにかくうれしかった」。笑顔で女房役と抱き合い、18年8月5日中日戦以来の完封勝利をかみしめた。

「脱力」が142球の快投を引き出した。宮本和知投手チーフコーチと桑田真澄同補佐から、力みが崩れる要因と助言された。菅野と戸郷で連敗して迎えたマウンドだけに気負いすぎる恐れもあったが「力みなく打者の手元で強い球を投げることをイメージした」と余分な力を抜いた。1回2死の西川以外は無四球。唯一のピンチとなった5回2死満塁では、西川への初球にストライクからボールゾーンへのスライダーを選択し、体勢を崩して右飛に。ストライク先行でテンポ良く丁寧にアウトを重ね続けることで、初球に手を出させた。

チームトップタイの2勝目。原辰徳監督から「全てのボールが良かった。何かつかんでくれたのかな」と評されたが、打線に感謝しながら笑顔で首を振った。「今自分にできる、やるべきことをやっている感じ」。一歩ずつ、左のエースへの階段を上り始めた。【浜本卓也】

▽巨人松原(4回1死一、三塁で初球を中越えの適時二塁打) 打ったのはカーブかスライダー。積極的にいったのが、いい結果につながりましたね。

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