マー君の後輩が先頭打者ランニングホームランを放った。今季初戦の立大は2点を追う1回裏、1番の道原慧外野手(3年=駒大苫小牧)がライナーで右前へ運んだ。法大の右翼手が突っ込み、後逸する間に生還。さらに9回2死から同点とし、引き分けによるポイント0・5点を得た。

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法大の右翼・小池が後逸するのを視界に捉え、道原は「三塁まで行ける」と二塁を蹴った。ところが、三塁コーチの腕が止まらない。「信じて全力で走りました」と50メートル5秒9の足を飛ばし、最後は頭から滑り込んだ。2点先取された直後。自身1号で、溝口智成監督(53)を「気持ちがすごく楽になった。リセットできた」と喜ばせた。

昨秋まで通算5試合のみ。自慢の足を生かし切れずにいた。課題の三振を減らすべく、冬場はボールを長く見て振るよう意識。後ろ側の左手で打つ感覚をつかみ、1番に抜てきされた。ランニングホームランは駒大苫小牧で打って以来。OBでもある佐々木孝介監督は、日本球界に復帰した楽天田中将の2年先輩だ。「監督さんからは、田中さんは先輩に対してもガツガツした人だったと聞きました」と、プレーに妥協しない姿勢を聞いていた。自らも妥協せずに先の塁を狙い、貴重な生還を果たした。

リーグ戦優勝は17年春が最後。今のメンバーは誰も、その味を知らない。主力が抜け、エース不在のチーム事情。個々の力を集める必要がある。道原は「ホームランは期待されていません。次も打とうとは考えずにいきたい」と役割に徹するつもりだ。【古川真弥】