悪夢の開幕5連敗を喫したロッテが、今季20試合目にして8勝8敗4分けで勝率を5割とした。

ここまでのシーズンと似たような歩みの試合になった。オリックス山崎福の前に、初回の1番荻野から4回の4番安田まで、打者13人連続でファーストストライクを見逃した。そのうち9人が2球以内に追い込まれるか、打ち取られるか。直球、スライダー、カーブ、チェンジアップとも低めにしっかりと決められ、絞りきれなかった。

それが4回2死一塁。5番山口が初球を中前打にしたことで流れが変わる。6番角中が四球を選び、7番藤岡の執念の内野安打で先制。井口監督も序盤の攻めには苦笑いしつつ「相手投手がちょっと浮いてきたところをしっかり捉えられた」と評価した。昨季も好投手を打者2巡目で攻略する機会が多かった。

開幕5連敗中は、5試合で計30安打。チャンスを作れない中で投手が我慢しきれずに敗れる、悪循環が続いた。特に最初のソフトバンク3連戦は開幕特有の球場の雰囲気にのみ込まれ、開幕投手を任された二木をはじめ本来の力を出し切れないまま敗れた。

5連敗直後の2試合連続16得点で流れを取り戻し、救援陣の不調など課題にも直面しながら、3週間を過ごしてきた。井口監督は「ようやくですね。ようやくチームとしても非常に状態が上がってきているので、これを引き続きやっていきたい」と確かな手ごたえを感じている。ルーキー鈴木が白星に恵まれ始め、藤原に強い当たりが戻れば、さらに加速できる。【金子真仁】