「右腓腹(ひふく)筋挫傷」で戦線離脱していた広島大瀬良大地投手(29)が、早期の1軍復帰への意欲を明かした。7日、広島・廿日市市内の大野練習場で練習を公開。既に2度ブルペン入りを果たすなど、順調な回復ぶりをみせている。現在、チームは6連敗中で5位に沈む。大黒柱の1日も早い復活が待たれる。

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大瀬良が「万全」を体現するかのように、軽快な動きを披露した。ウオームアップを終えると、最長40メートルのキャッチボールを開始。その後は平地で捕手を座らせて投球練習を約5分間行い、内野ノック、けん制練習、縄跳び、30メートルの往復ダッシュなど、全体練習に交じりフルメニューを難なくこなした。「もうしっかりと万全に治って、どんどん上げていければいいかなという状態です」と話した。

まさかのアクシデントだった。今季4度目の登板を翌日に控えた4月15日、甲子園の外野でショートダッシュ中に「前兆もなくて、いきなり来た」と右ふくらはぎを負傷。永川投手コーチに背負われ、グラウンドを後にした。「頭が真っ白になった。チームに迷惑をかけて申し訳なかった」。翌16日に出場選手登録を抹消されたが、離脱した1、2日後には「肩を休ませたくなかった」と椅子に座ってキャッチボールを行った。今月2日にはブルペン投球を再開し、4日には100%の力で全球種を交えて83球投げるなど、順調に回復中だ。

もどかしさを抱えながら、1軍の戦況をテレビで見守っていた。大黒柱を欠いたチームは現在、引き分けを挟んで6連敗中で5位に転落。大瀬良は「若い子とかも頑張っていましたし、うまくいかないこともあるとは思いますけど、早く戻って、流れを変えたい。何とかチームの空気が変われば」と表情を引き締めた。

近日中にも2軍戦で実戦復帰の見込み。「いろんな段階、プラン、プログラムをしっかりとやっていく中で、1日でも早く(1軍へ)帰りたい」。チームの窮地を救うため、エースが最善を尽くす。【古財稜明】