ド迫力打線で、交流戦も突破や! 阪神は12日、有観客試合となった中日戦(甲子園)を雨で流した。

矢野燿大監督(52)は、背中の張りで離脱中の大山悠輔内野手(26)について、今週中にも2軍で実戦復帰する見通しを明かした。順調にいけば交流戦から1軍に復帰。指名打者制のパ・リーグ本拠地ではドラフト1位佐藤輝明内野手(22)に助っ人トリオの大砲5人の共存が可能。超重量打線で、パ相手にも快進撃を続ける。

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雨は降りやまず、甲子園は内野に全面シートがかけられたまま。この日からスタンドにファンが戻ってくるはずだったが、雨天中止となった。矢野監督は「もちろんやりたかったのはあるけれど」と残念がり、室内練習場で汗を流すナインを見守った。

今季4度目の雨天中止となったが、明るい話題がある。開幕から4番を張った大山が6日に背中の張りで出場選手登録を抹消。矢野監督は「体と相談しながらやけど、もしかして今週どこかで打席に立つこともなくはない。来週くらいには確実にどこかで打席に立つ」と、早ければ14日からのウエスタン・リーグ広島3連戦(甲子園)で実戦復帰する可能性を明かした。井上ヘッドコーチによると「スイングという形の中で5割か6割くらいの力が入ってやれている」という状態。全力でスイングや送球が可能になった段階で2軍戦に出場する方向だ。来週は鳴尾浜で19日に社会人・マツゲン箕島との練習試合、21日から中日3連戦の4試合が予定されている。ここで動きを確認できれば、25日からのセ・パ交流戦からの1軍復帰となる。長期離脱という最悪の事態は免れそうだ。

大山が交流戦で復帰すれば、夢のオーダー編成が浮上する。28日からの西武戦(メットライフドーム)では指名打者制での戦いとなる。4番三塁で大山が戻り、佐藤輝は6番に戻り、サンズが指名打者に入ることで7番に左翼でロハスが入り、チャンスに強い梅野が8番、9番中野から1番近本につなぐ切れ目のない打線となる。ロハスの状態次第では、相手投手の左右によって糸井や陽川が入っても強力だ。大山がまだ本調子でなければ、佐藤輝に4番三塁を継続させ、大山は6番指名打者で打撃に専念させることもできる。

昨年はコロナ禍のため交流戦は中止となったが、矢野政権1年目の19年は6勝10敗2分けと負け越した。パ球団と3試合ずつの計18試合となった15年以降勝ち越したのは2シーズンしかない。現在貯金14で首位を走る。16年ぶりにリーグ優勝を果たすためにも、頼れる主将の戦列復帰で、バリエーション豊かな打線を組み、パ6球団を打ち負かす。【石橋隆雄】