阪神の2軍本拠地が、兵庫・西宮市の鳴尾浜球場から尼崎市に移転することが決定的になったことが14日、分かった。13日の尼崎市議会で小田南公園への移転誘致を正式決定。阪神電鉄と今月下旬に基本合意書を締結し、来年12月に着工する。球団創設90周年となる25年2月からの使用を予定している。

尼崎市は地域の活性化やスポーツ振興、観光の目玉施設として、16年から阪神側と移転について協議を開始した。昨年、小田南公園を候補地に選定。秋には近隣住民などに住民アンケートを行い、今年2月に公表。「賛成」「どちらかと言えば賛成」が合わせて75・4%の結果が出ていた。

新本拠地は阪神大物(だいもつ)駅から徒歩3分ほどの場所にあり、メインの「阪神タイガース野球場」は3階建てで最大収容人数は4000人。サブ球場(小田南公園野球場)、ミニサブ球場(阪神タイガース練習場)、室内練習場、選手寮なども併設する。94年10月から選手寮とともに使用している鳴尾浜球場の最大収容人数は500人で、主な交通手段はバスかタクシー。ファンが球場に入りきれない日もあった。隣接する室内練習場も手狭で、雨天時のチーム練習は、甲子園球場に併設する室内練習場に移動して行っている。新本拠地は1軍本拠地の甲子園にもアクセスがよく、ファンにとっても利便性の高い施設となりそうだ。

尼崎市によると、阪神グループが全施設を整備。市は阪神側に試合開催などの40年間の営業権を与え、その収入で維持管理費をまかなうという。【石橋隆雄】

 

◆阪神2軍施設誘致のスケジュール予定(兵庫・尼崎市のホームページより)

21年5月下旬 基本合意書の締結

21年12月 負担付き寄付の議案提出

22年12月 工事着工

25年2月 供用開始

 

◆阪神2軍施設誘致これまでの取組状況

16年 阪神と移転について協議開始

20年 小田南公園を移転候補地として選定

20年10月 近隣住民や近隣事業所へ説明及び意見聴取(計27回)

20年11月 小田南公園での阪神施設の誘致に関するアンケート

11月13日、14日にアンケート説明会の実施(計6回)

21年2月 アンケート結果を市のホームページ等で公表

21年2月 アンケート結果を近隣住民や近隣事業所へ説明及び意見聴取(計25回)

21年3月 アンケート結果を踏まえた検討状況や検討イメージについて意見募集

3月26日~4月3日アンケート結果等の説明会の実施(計10回)