中日の柳裕也投手(27)がソフトバンク相手に7回無失点で4勝目を手にした。防御率、奪三振のセ・リーグ2冠を背に交流戦開幕戦に臨んだ5年右腕が王者との初対戦で成長ぶりを見せつけた。

「セ・パ格差」の象徴的存在とも言える強いソフトバンクにも動じることなく、序盤は切れ味鋭いカットボールを武器に3回まで毎回の4奪三振。中盤は多彩な球種を駆使して粘り強さを発揮。「長打力のある打者が多いので慎重に丁寧に投げた」(柳)ため、7回で121球を要したが、6単打6奪三振。三塁を踏ませることなく、救援陣にバトンをつないだ。

「ソフトバンクに投げるのはプロに入って初めてだったので自分の実力が通用するか楽しみでした。よく粘れたと思います。小さいときに九州(宮崎)で育ち、キャンプも見にいったチームから勝ててうれしいです」。最高の笑顔でチーム6年ぶりの交流戦開幕星を振り返った。

これで今季本拠地バンテリンドームでは5戦3勝無敗。通算防御率は1・62まで下がった。成長著しい右腕が中日の右の柱からセ界のエースへ。その扉を自ら開けた。【安藤宏樹】

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▽中日与田監督(完封リレーでソフトバンク戦の連敗を4で止め、6年ぶりの交流戦開幕勝利)「勝ち方もすごくよかったと思います。(相手は)球界NO・1のチームですから…。いつも言うようにいいもの(データ)はどんどん増やしていけたらと思います」

▽中日又吉(R・マルティネスの離日で抑えに起用され7年ぶりのセーブに)「目の前の1イニングを抑えにいったので特に意識はないです。先頭打者をとってから(打たれた)ツーベースと上林選手にカウントを悪くしてしまったこと。特に9回なので反省したい」

▽中日福田(3回に先制二塁打)「対戦の少ないチームなので積極的に、と思って打席に入った。(適時打は)追い込まれていたのでコンパクトに対応しようと思っていまた」