今秋のドラフト上位候補の西日本工大(九州北部)の最速150キロ左腕・隅田知一郎(ちひろ、4年=波佐見)は初戦で散った。

13年の全国覇者・上武大(関甲新学生)を相手に8回4安打1失点、毎回の14三振を奪って完投負け。2回に4番・ブライト健太外野手(4年=葛飾野)に高め外角直球を捉えられ、左中間へソロを運ばれた。

それでも国内12球団が注目する実力は発揮した。全球種がウイニングショットといい、初回から140キロ台前半の直球と、チェンジアップにスライダーを軸にツーシーム、カットボール、スプリットと多彩な変化球を交えて「イメージ通りの球がいった」と胸を張る投球術で強打線を翻弄(ほんろう)した。

123球の力投をみせたが、西日本工大打線も4安打と援護なく0封負けした。秋に向けた隅田は「もっとストレートの球威と質を上げたい。走り込みや体づくり、投げ込んで神宮での経験を生かし、上に行けるようにしたい」と飛躍を期した。【菊川光一】

全日本大学野球選手権の詳細はこちら―>

▽ヤクルト小川GM 三振が14個に変化球の質がよくキレもいい。真っすぐも140キロ後半が出ている。すべてにおいて評価は高い。

▽ロッテ永野プロ・アマスカウト部長 真っすぐとの兼ね合いもあるが、変化球のキレがいい。特に、ツーシームとチェンジアップがいいね。スタミナが少し課題でしょうか。