ソフトバンクの3年目右腕、板東湧梧投手(25)が、日刊スポーツのインタビュー企画「鷹く!羽ばたけ」にオンラインで応じた。昨年10月に右肘手術を受けた板東は、リハビリを経て今年5月に1軍昇格。首脳陣からの信頼も高まっており、森やモイネロが不在の中で「勝ちパターン」の一角として頭角を現しつつある。リハビリ中の心境や、将来への展望を聞いた。【取材・構成=山本大地】

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-昨年10月に右肘手術。リハビリ期間を振り返って

板東 手術をしたときはすぐ戻れるものと思っていたんですけど、思ったより大変だなと感じました。キャンプからどんどん投げていくイメージでしたが、実戦復帰できたのは4月。振り返ると順調だったとは思いますけど、イメージよりも時間がかかりました。

-苦しい時期もあった

板東 術後の取り組み、いろんな経験もできましたし、手術があったからこそ今1軍で投げられていると思う。痛みがなかなか取れず、不安になった時もありましたけど、悲観することなく過ごすことができた。高い意識、モチベーションというか、この期間でうまくなるんだという思いでやっていました。

-リハビリを経験してプラスになった面は

板東 結果を求める時にはできないフォームのこと、体の強化に関する勉強やトレーニング、細かいところをやることができましたね。自分でも見た目はあまり変わってないと思うんですが、体の使い方や意識したところが投球にもつながって、球速が上がったり、(フォームの)再現性も出せていると思います。

-今季は中継ぎで厳しい場面の登板も多い

板東 1軍に上がってから最初はあまり良くなかったんですが、目の前の試合でやるしかない、結果を出してチャンスをもらうことの繰り返しと思っている。嫌でも展開や場面は意識してしまいますが、あまりそこは考えずに。自分に何ができるかを考えて、できることをやろうと思っています。

-昨年の1軍経験が生きている

板東 去年1軍で投げて、抑えた経験が自信になっているところはあります。それがあるからこそ、1軍でも自分の力さえ出せたら、と思って投げられていますし、打たれてもぶれることなくやれている。そこが崩れると悪循環になると思っています。

-「イケメン」として話題が先行することもある

板東 少なくとも、注目してもらえることに対するありがたさはあります。応援してくれる人がたくさんいることはうれしいですし、嫌だと思ったことはないですね。覚えてもらえるだけでもうれしいです。

-昨オフから寮を出て1人暮らし

板東 社会人の時も寮だったので、初めての1人暮らしで大変さを感じました。特に食事のところが大変だと思いましたね。今は栄養士の方にお願いして、届けてもらっています。自分でやってみて、こんなに大変なんだなというのを感じたからこそ、ありがたみを感じますね。

-自宅での過ごし方は

板東 リフレッシュしたいときはアニメを見たり、テレビを見たりしています。(田中)正義さんから「日常の時間の有効活用」という話をしてもらって、読書したり、意識を高く持った時間の使い方ができている。1人暮らしですけど、そこは充実していますね。

-最近見ているアニメは

板東 今テレビで放送している「不滅のあなたへ」を見ています。他には「ワンピース」だったり「東京リベンジャーズ」も見ていますね。ジャンルが広い? そうですね、アニメだったら割となんでも見ますよ。

-元々は先発候補と見られていた。想像する自分のポジションは

板東 今までは先発のイメージでしたけど、去年1軍で中継ぎを経験させてもらって、ロング(救援)もやらせてもらったり、するたびに選択肢が広がっていると思っています。7回や8回の厳しい場面で投げる役割も視野に入ってきている。とにかくチームに貢献できれば、と思っているので。どこでやっても楽しさ、やりがいはあります。自分では先発向きと思っていたので、やれと言われたらやりたいですし、7、8回を任されるならそれはそれでうれしい。とにかく1軍で投げていたいですね。

◆板東湧梧(ばんどう・ゆうご)1995年(平7)12月27日、徳島県生まれ。小2から投手兼遊撃手として野球を始める。鳴門3年時に春夏甲子園出場。JR東日本では17年日本選手権、18年都市対抗に出場。18年ドラフト4位でソフトバンク入り。20年7月14日オリックス戦でプロ初登板。182センチ、80キロ、右投げ右打ち。

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