<西武3-3ロッテ>◇20日◇メットライフドーム

西武平良海馬投手(21)が、34試合連続無失点で、豊田清(現投手コーチ)らのパ・リーグ記録&球団記録に並んだ。1点リードの8回2死一、三塁の場面で登板し、連続四球を与え押し出しによる同点となった。しかし記録上は、直前に登板した十亀が出した走者のため、平良は失点がつかず記録継続となった。

   ◇   ◇   ◇

平良と豊田投手コーチの肩が並んだ。初対面は19年秋季キャンプ。就任直後だった同コーチは、平良が頭角を現したブルペンの様子を伝え聞いた。「試合前のブルペンではほぼほぼストライク入らずに試合に行っていたと。ブルペンキャッチャーが捕れない球も多かったと聞いていた」。実戦型で力でねじ伏せていた剛腕。ただ、20年を機に変わっていく。その姿を同コーチは間近で見ていた。

20年春季キャンプでは「いつか先発をやりたい」と先発調整を直訴し球数を増やして投げ込んだ。2月終盤まで続いた調整が転機だった。「投げればいいということじゃないけど、取り組んだことによってすごくコントロールが安定してきたと、見て感じ取れました」。最速160キロの直球に加え、チェンジアップは同コーチの助言を受け、腕の位置を修正し習得した。「どう投げたらここにいくというのをすごく突き詰めているように感じた。器用さももちろんありますけど、努力の成果なのかなと思います」。

開幕31試合連続無失点で日本タイ記録となった10日DeNA戦後、同コーチに「豊田さんの記録抜きます!」と宣言。その言葉が現実になろうとしている。【西武担当=栗田成芳】