ロッテ佐々木千隼投手(27)は今やチームに不可欠な存在だ。24日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)で8回に登板し、3者凡退に抑えた。防御率は0・96と0点台に突入した。

「数字が全てではないとも思いますけど、いい数字はうれしいですね」

25試合にリリーフ登板し、直近は8試合連続で無失点リリーフに成功している。ロングリリーフ要員として開幕1軍入りを果たした。昨オフの契約更改では「短いイニングだろうと先発だろうとロングだろうと、何でもやっていきたい」とプロ5年目への覚悟を示していた。

4月中旬からは1~2点を追う展開でのリリーフも任された。仕事をこなしていると、白星がついてきた。わずか1週間以内に3勝した時期には「1軍でずっと投げたいですし、ずっと1軍にいたいですし、1軍でなんぼの世界だと思うので、そういう面では充実しているなっていうのはあります」と口にしていた。

やがて、白星がつかなくなった。コンディション不良のハーマンや唐川の代役として、リード時に投げることが増えたからだ。

「どんな場所でも役割でも、自分がしっかりやるべきことは変わらないと思います。しっかり投げて、抑えられるようにやるだけだと思っているので」

今度は投げるたびにホールドが増えてきた。唐川はまだ離脱中。井口監督も「唐川が戻ってくるまでは」と勝利目前の8回がしばらくの主戦場になる。

ゆったりとしたフォームからの手元で伸びる直球、独特のスライダーとシンカーを織り交ぜ、打者のタイミングを崩す。今季ここまでの被打率は1割5分9厘。数少ないピンチでも動じない。「そんなに焦らなくなったというか。バタバタしなくなってきたのかな、とは思います」。佐々木千隼の味わいが増している。【金子真仁】