DeNA東克樹投手(25)が、今季中の1軍復帰と来季の本格復帰を目指す意向を示した。

昨年2月に左肘のトミー・ジョン手術(内側側副靱帯=じんたい=再建手術)を受け、今月11日のイースタン・リーグロッテ戦(バッティングパレス相石ひらつか)で688日ぶりに実戦復帰。「何も問題なく、登板後痛みが出ることもなかった。投げ終わってホッとしている部分が一番強い。投げた次の日も症状が出ることがなく、次に向かって進めている。僕としては心の嫌な部分はなかった。練習もポジティブにできている。すごくすがすがしい気持ちです」と明るい表情で語った。

復帰戦では2回34球を投げたが、今後は2軍で登板を重ね、投球回数を1イニングずつ伸ばしていく予定。100球をめどに約1カ月は先発していく。1軍復帰には「そこまで先のことは今は考えずにやっている。できるのなら今シーズン中に1度でも上に上がって投げられたらという感覚でやっている。できるなら、早く上がりたいですけど、そこで無理をして、この1年半近くやってきたことを無駄にしたくない」。焦る気持ちを抑えて、着実に段階を踏んでいく考えを示した。

手術後初の実戦登板では、手応えも課題も感じた。「変化球はカウントも三振も感覚が良かった。ストレートがあっての変化球なので。そういった部分ではストレートでファウルしか取れてないので、やはり空振りが取れるような真っすぐを取り戻す必要がある」。得意のチェンジアップで空振り三振を奪うなど、変化球には満足感もあった。一方、直球は練習以上の威力があったが、まだ納得できる段階にはないという。直球の復活がなければ、1軍レベルでは変化球も生きてこない。

今季中の1軍復帰は目指すが、本格復帰の時期としては来年に照準を合わせる。「たくさんの方と話し合って『今すぐ上がってこい』ではなく、元の、それ以上の東を必要とされている。完璧じゃない状態で上がってもチームに迷惑をかけると感じているので、自分勝手ではありますが、来年1年間ローテで回れるように、という気持ちでいます」。18年の新人王左腕は、はやる気持ちをぐっとこらえている。【斎藤直樹】