広島が2試合連続2桁安打で阪神西勇を攻略した。昨季まで移籍後1勝8敗と苦手とした右腕相手に1点ビハインドの4回、3人が初球打ちを決める積極打法で一気に逆転した。難敵を攻略し、今季は4勝1敗とリベンジ。終盤にも効果的に得点を奪い、佐々岡真司監督(54)も納得の連勝となった。

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積極打法で難敵の西勇を攻略した。1点を追う4回だ。先頭の鈴木誠が140キロを右翼フェンス直撃の二塁打。続く坂倉はスライダーを引っ張って同点打を右前に運んだ。さらに1死二塁で、菊池涼が低めの141キロをはじき返し、逆転の中堅越え二塁打を決めた。いずれも初球攻撃がズバリ。佐々岡監督は「先制されて、早い回に挽回できた。誠也から始まって、逆転打につながった」と3選手の3球3スイングでの逆転劇をたたえた。

前回対戦した13日の同カードは、打者25人のうち初球打ちは2人のみ。いずれも凡退だった。7月2日は打者19人で初球打ちはゼロ。この日も3回まで打者13人で43球を投げさせた。4回に安打を放った3選手も、この日の1打席目は、いずれもファーストストライクを見逃していた。

過去の対戦が伏線となった。朝山打撃コーチは「ミーティングから制球力のある投手だから甘いところに来たら打ちにいこうと話していた。しっかり集中して捉えてくれた」。若い打線の中でも経験ある3選手が、わずかな隙を逃さず、好投手攻略のお手本ともいえる好球必打を実践した。

西勇は阪神に移籍した19年から昨年まで13度対戦し、1勝8敗と苦手としていた。だが今季は4勝1敗とリベンジに成功している。

7回には4番鈴木誠の2試合連続打点となる2点適時二塁打を放ち、8回は代打石原が豪快ソロを放った。2桁12安打で6得点。チームが2桁安打を記録した試合は、引き分けを挟み9連勝だ。佐々岡監督は「よくつないで、つないでという攻撃だった。いい形ができているんじゃないかと思います」と手応えを感じている。状態が上向いた打線に、チームとしての攻撃が機能すれば、得点力はさらに上がるはずだ。【前原淳】

○広島坂倉(4回無死二塁から同点打)「(先頭で二塁打の鈴木)誠也さんがチャンスをつくってくれたので、つなぐことができてて良かったです」

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