プロ2度目の先発となった阪神村上頌樹投手(23)は、2被弾など3回6安打5失点で初黒星を喫した。持ち前の制球力が影を潜め、毎回の失点。「コントロールに苦しみ、ボールもうまく制御ができませんでした。前回に続いて悔しい登板となりチームに申し訳ないです」。夏の甲子園で決勝に初進出した智弁学園の後輩たちに続けなかった。

「智弁対決」が決まった約4時間後。村上はマウンドからバックスクリーン方向へ一礼すると、「C」のユニホームに挑んだ。1点の援護をもらった直後の初回、先頭の野間にボールがばらついた。2死一、二塁から坂倉にこの日初めて投げたスローカーブを捉えられ、逆転の2点二塁打を浴びた。2回も1点を失い、3回は先頭の鈴木誠に右中間へソロ、2死から菊池涼にも左中間へソロを浴びた。立ちはだかった赤い打線は強力だった。

東洋大から20年ドラフト5位で入団し、プロ初登板先発だった5月30日西武戦(メットライフドーム)で3回途中5失点。その後は2軍戦で結果を残し、再びつかんだチャンスをものに出来なかった。矢野監督は冷静に指摘した。「これも経験なんだけど、ファームでやってきたことは全然出せてないからもったいないなと思う。行って打たれてるんならいいけど。大事に大事にというのが、今日のピッチングにつながったのかな」。試合後、村上は出場選手登録を抹消されることになった。智弁学園3年時のセンバツで初の全国制覇に導いた右腕。再び2軍で鍛錬を積み、次こそ実力を発揮する。【磯綾乃】