ソフトバンクが1日で自力Vの可能性を復活させた。13安打9得点と爆発した打線を引っ張ったのは4番の栗原陵矢捕手(25)だ。初回は1死一、三塁で左前へ先制打。2回は2死一、三塁で右翼席中段に運ぶ14号3ランを放ち、自己最多タイ4打点の活躍となった。

キーワードは「内転筋」だ。先制打については「追い込まれてから、内転筋をうまく使って、くらいついて打つことができました」。本塁打には「引き続き内転筋をうまく使って打つことができたと思います」とコメントした。強調する裏には、侍ジャパンで東京五輪をともに戦った先輩からの助言があった。

「昨日、試合が終わって鈴木誠也さんとちょっと電話させてもらって、ヒントをいただいた。そういうイメージで打撃練習から入りました」。グラウンド外でも、打撃につながる何かを探ろうという姿勢で、5戦連発中の広島の主砲に教えを求めた。「前々から話したりはしていたんですけど、そんなに深く話したことはなかった。五輪が大きかったと思います」。ともに金メダルを目指す中で培った関係性で得たヒントをさっそく試合で生かした。

オリックスが敗れたため、再び自力優勝の可能性が出てきた。工藤監督は「そういうものの連続ですよ。うちはとにかく勝っていくしかないので。目の前の1戦1戦をみんなで戦っていくことが大事」。殊勲の栗原も「残り試合も少ないですし、1試合1試合負けられない。強い気持ちを持ってやっていきたいと思います」と、鋭い目線で先を見据えた。【山本大地】