ヤクルトの「55」が“ゴジラ”の背中を追い、リスタートした。1回無死満塁。村上宗隆内野手(21)は初球の高めに抜けた116キロカーブを振り切った。右翼席中段へ突き刺す、自身自己最多タイの36号グランドスラム。プロ3本目の満塁弾が通算101本目のアーチとなった。試合開始から7分足らずで、一気に流れを引き寄せ「甘い球が来たら積極的にいこうと常に思っている。それがいい結果になってよかった」とうなずいた。

19日に通算100号に到達。清原和博氏を抜く、21歳7カ月の最年少記録を打ち立てた。周囲へ感謝しながら、目線はすぐに先へ。この日、松井秀喜氏が自身の打撃を評価してくれていることを知った。「すごくうれしく思うし、本当に目指すべきところが松井秀喜さんのような打者。僕もまだまだ頑張りたい」とハキハキと言った。同じ左打者で同じ背番号。絶対的な主砲としてチームを優勝に導いたあの「55」のように-。「人よりはパワーはあるかなと思います」と自負する力で、勝利につなげる1発を重ねていく。

最大7あった首位との差は1・5差まで縮まった。「チームもすごくいい状態なので、これから先も勝ちを重ねられるように頑張ります」。本塁打はリーグトップと1本差、打点は4差。勝つための打撃を求め続ければ、「取れるものは全部取りたい」と意欲をみせる念願のタイトル獲得も近づいてくる。【湯本勝大】

▽ヤクルト高津監督(村上の本塁打に) ホームランという結果には驚いた。試合を大きく左右する1発だった。