巨人がミスターの激励に勝利で応えられなかった。長嶋茂雄終身名誉監督が観戦する中、8回まで二塁も踏めず沈黙。

9回は1死満塁と攻め立てたが生かせず、13三振で今季8度目の無得点負けを喫した。原監督は「異議はないよ。こっちはベストで行っているわけだからね」と、プロ初完封の阪神高橋に脱帽した。

大混戦の中、波に乗りきれない。前夜は1点リードを守護神ビエイラで守り切れずドロー。この日は力投するエース菅野を援護できず、連勝は2で止まった。

だが、ミスターは伝説の一戦を制した27年前のチームに重ねた。試合前に原監督を激励後「テレビで毎日、身を乗り出しながら試合を見ています。苦しい形の中でも、ジャイアンツはいい戦いをしていますね。今は3位だけど、まだまだこれから。1994年の10・8決戦みたいになるかもしれません。今年は最後の最後までわからない。絶対に勝つと信じています」とコメントした。「10・8決戦」とは、中日と同率首位で並んで迎えたリーグ最終戦を長嶋監督率いる巨人が槙原-斎藤-桑田の先発3本柱リレーで制した一戦。粘り強く戦う姿に、「国民的行事」の再現を期待した。

原監督は「明日はまた、ベストを尽くすということで」と切り替えを強調したが、今日にも自力Vが消滅する可能性が出てきた。残りは22試合。「決戦」の実現へ、踏ん張りどころを迎えた。【浜本卓也】

▼巨人が敗れ、今日26日にも自力Vの可能性が消滅する。消滅の条件は巨人が阪神戦に●、ヤクルトが中日戦に○。