先制打を放っても、国士舘大の4番池田来翔(らいと)内野手(4年=習志野)は満足できなかった。「芯に当たっていません。内容は、半分もいい状態じゃないです」。初回1死一、三塁でカウント2-1から外の変化球を右前に運んだ。「落ちた、て感じです」と結果で一喜一憂しなかった。

新型コロナウイルスの影響で、チーム練習が再開できたのは、ようやく2日になってから。先月末に行われた第1週の2試合は不戦敗となった。練習再開後は1カ所打撃などで試合の感覚を取り戻そうとしてきた。ぶっつけ本番となった前日の初戦は、拓大に1点差の惜敗。池田来自身は1安打を放ち、この日は先制打を含む2安打したが「求められている右の長距離砲には、なれていないです」と言った。

貴重な右打ち内野手として、ドラフト候補に挙がる。11日のドラフト前、最後の試合を終え「打撃はアピールしきれませんでした」と率直に認めた。それでも、気落ちした様子は見せなかった。「守備、走塁は積極的に」と、4回には三盗を決めた。社会人野球で活躍した父真樹さんからは「毎日のように電話がかかってくる」という。「スカウトを意識しないで、自分のできることをやれ」と言われている。そのとおり、今できることをやった。