中日からドラフト2位指名を受けた駒大・鵜飼航丞(こうすけ)外野手(22)が15日、東京・世田谷区の駒大野球部グラウンドで中日正津スカウトらの指名あいさつを受けた。「打点王と本塁打王をとりたい」。バンテリンドーム初の本塁打王獲得を目標に掲げた。

「越えます。狙えば越えちゃいます。ロングティーならいつでも越せます」

鵜飼がホームグラウンドで胸を張った。両翼100メートルの駒大硬式野球部グラウンドは高さ30メートルのフェンスでぐるり。鵜飼の打球は打撃練習でその左翼フェンスを軽々と越え、室内練習場の天井で弾んでから民家に入っていくという。「謝りに行きます。この前は民家の人が来てしまって…。最初は怒ってらしたんですが、僕の名前を知ってくださっていて、『がんばれよ』と笑い話で終わって良かったです」。日本人離れしたパワーがもたらすエピソードに頭をかいた。

97年から本拠地をバンテリンドームに移してから中日で本塁打王に輝いたのはウッズ、ブランコ、ゲレーロの助っ人3人。打点王もブランコ、ウッズしかいない。日本人ではナゴヤ球場が本拠地だった96年に山崎武志が39本塁打で獲得して以来、本塁打王、打点王は生まれていない。担当の正津スカウトは「圧倒的なパワーを持つ。チームの日本人なら一番飛ばす。今年ブレークしたオリックスの杉本のようなタイプ」と、30本塁打超を打てる素質に太鼓判を押す。

目標は竜の和製主砲。「4番がチームの顔。一番かっこいいポジションなので、打って活躍してチームの勝利に結びつけられるように選手になりたい」。「竜のラオウ」が日本人選手ではバンテリンドーム初の本塁打王、打点王取りへ目を輝かせた。【伊東大介】