ヤクルト・ドラフト1位指名の法大・山下輝投手(4年=木更津総合)が、明大の優勝の望みを断った。

4-3の9回無死満塁で登板。同2位指名の明大・丸山和郁外野手(4年=前橋育英)を一ゴロに打ち取った。その後、味方の適時失策で同点とされたが、勝ち越しは許さず引き分けた。優勝は、早慶戦を残す慶大と早大に絞られた。

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もう、この男しかいなかった。9回に尾崎が押し出し四球を与え1点差。なお無死満塁で、明大・丸山を迎えた。カウント1-1となり、マウンドに向かったのは山下輝だ。来年からチームメートとなる丸山との対戦となったが「打者は見えてませんでした。ストライクゾーンだけ見てました」と集中した。「力で押そう」と直球で押し込み一ゴロ。その後、味方の適時失策で同点にはされたが、サヨナラは許さなかった。

翌日の2回戦に先発予定のため、この日は登板しないはずだった。が、9回にピンチが広がり、急きょ、肩をつくり始めた。丸山への2球目の後、準備OK。「勝つだけでした」と優勝の望みをつなごうとした明大に立ちはだかった。試合後は穏やかな表情に戻って言った。適時失策の斎藤大に「3年生。先がある。経験と捉えてくれれば」。4年生の力を発揮した。

 

▽法大・加藤重雄監督(山下輝の登板に)「最後まで出したくなかったのですが、1つの勝ちのため、投げさせました。よく抑えてくれました」

 

▽法大・三浦銀二投手(先発で7回8安打2失点)「今日は山下が(リリーフで)行ってくれた。明日は、展開によって、自分が試合を締める準備をします」