ド派手会見の裏で、ソフトバンクの藤本博史監督(57)が堅実にスタートを切った。宮崎秋季キャンプ第1クール初日の4日、2軍監督から昇格した新指揮官は、昼食休みの間に主力選手と面談を行うなど、グラウンド内外でコミュニケーションを取りながら精力的に動いた。

見た目の派手さはなくとも、先を見据えた手堅い取り組みが行われていた。午後の打撃練習。メイン球場には藤本監督の他、村上1軍打撃コーチ、関川2軍打撃コーチがケージの裏で見守った。同時進行で、室内練習場には森ヘッドコーチ、長谷川1軍打撃コーチに吉本2軍打撃コーチらがいた。

2グループに分けた野手の組が入れ替わると、コーチ陣も持ち場を入れ替えた。藤本監督は「共有が一番大事」。1、2軍の壁をなくし、多くの目で選手をチェックしながら、意見をぶつけ、指導方針を共有していく。2クール目以降も「シャッフルしますよ。みんなに見てもらいたいというのがあるからね」と野手のグループを入れ替えながら、クロスチェックを続けていく方針だ。

この日、日本ハム新庄監督が就任会見を行った。実は藤本監督も縁がある。「現役で最後オリックス行ったときにね、マンション一緒やったんですよ。いつも出る時間一緒やって、ぼくが出るのを待ってくれてた。礼儀正しい子ですよ」。来季からは同じリーグの覇権を争うライバルになるが「パ・リーグがどんどん盛り上がってくれたらありがたい」と歓迎した。【山本大地】