オリックス中嶋聡監督(52)が攻めの継投策で、日本シリーズ王手に導いた。

先発田嶋は6回まで無失点の好投。球数もまだ77球だった。だが、クリーンアップの右打者3人を迎える7回に思い切って右腕の吉田凌を投入した。指揮官は「シーズン中だったら、続投だったと思うが、あれだけ飛ばしていったのもある。球数よりイニングになると思っていた」と説明した。

吉田凌は2死二塁のピンチを招いたが代打佐藤都を一ゴロに片づけた。8回は3番手のヒギンスが、9回は守護神の平野佳がそれぞれ3者凡退。2試合連続完封勝利に導いた。指揮官は開口一番「点をやらない投手陣、本当によかった。どっちも点が入らないのが続いている。しのぎ合いしかないというか、守り合いしかないと思っていた」と振り返っていた。戦況を読んで先手を打つ。シーズン同様のそつのない試合運びは短期決戦でも生きている。

▼オリックスは<1>戦が1-0で、2試合合計3点で連勝スタート。ポストシーズンで2試合3得点で連勝したのは、94年日本シリーズで巨人が<2>戦1-0、<3>戦2-1で西武に連勝して以来27年ぶり2度目。プレーオフ、CSでは初めてで、初戦から3得点で2連勝もポストシーズン初となった。

▼得点は4番杉本の本塁打の2点だけ。プレーオフ、CSで4番が打った本塁打の得点だけで勝ったのは、17年1S<1>戦で福留の2ランで2-0の阪神以来5度目。パ・リーグでは、81年<1>戦で柏原のソロで1-0の日本ハム以来40年ぶり2度目だった。