中日小笠原慎之介投手(24)が今季投手2冠に輝いた先発右腕・柳超えを誓った。16日、ナゴヤ球場で契約更改に臨み、2150万円増の3600万円(金額は推定)でサインした。今季開幕から先発ローテーションを守り25試合、自己最多の8勝(10敗)を挙げ、防御率3・64をマーク。柳、大野雄とともに自身初の規定投球回に到達した。15年夏の甲子園V左腕は6年目で先発の柱の1人に成長した。

「柳さんは超えたい」。笑顔で小笠原は目標の「173」を掲げた。先輩柳は今季防御率2・20、168奪三振で、リーグ2冠を達成。同時に竜投最多の172イニングを投げ抜いた。今季初めて規定投球回に達したとはいえ、小笠原は143回1/3と規定ギリギリ。「来年は1年間投げて、ローテの中でも誰よりもイニングを食ったなという投手になりたい」。先輩超えが来季の目標だ。

「今年ダメだったら最後」という思いから、1月は大野雄の自主トレに帯同。直球を磨き自らのカベを突き破った。来年も大野雄とともに自主トレをするが、恩師も目標に掲げた。「しっかりイニングを投げて、昨年の大野さんみたいに10完投もしてみたい」。師匠超えもモチベーションに変えた。

規定投球回は今季チーム最終戦、10月26日阪神戦(甲子園)で達成した。シーズンを通した疲れによるヒジなどの不安を背負いながら、リーグ優勝をにらんだ阪神打線を相手に6回4安打無失点で8勝目をマーク。「過去イチと言われた。それをアレンジしながらやっていきたい。あれが理想の投球。けがの功名と言ってもいい」。1年かけて自らの思い出が詰まった聖地でつかみとった笑顔は、プロ7年目の来季をしっかりと見据えていた。【伊東大介】

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