中日立浪和義新監督(52)がオフでの「ひとり時間」の有効性を説いた。ナゴヤ球場での秋季キャンプは休日。キャンプ後に迎えるオフの2カ月をいかに使うかを重要視した。「自分たちもアドバイスはする。それを消化して、どう練習するか。力の差がつくのはそこからの2カ月」。自分と向き合い、他の選手に差をつけられるか。それが春季キャンプにつながる。指揮官は竜戦士に「宿題」を突きつけた形だ。

4日から始まった秋季キャンプでは、早朝から日暮れまでナゴヤ球場、屋内練習場をところ狭しと使う。新指揮官も中村紀打撃コーチらとともに熱心に指導。高橋周、京田、根尾、石川昂ら野手強化に力を注いでいる。この取り組みを無駄にしてほしくない。「1人でやったことを思い出しながらやることも大事」。キャンプ後の「ひとり時間」の大切さを強調した。

PL学園からドラフト1位で中日に入団し、翌88年に新人王。その後22年間、173センチの身長で数々の実績を残した。「常に大きな人に負けないために考えていた。野手は8人しか試合に出られない。チーム内で競争意識を持たないといけない」。先輩や他球団選手との自主トレは肯定しながら、強烈な競争意識を失わないことを願った。

「春のキャンプで、僕らが見たらわかる。やってきたな、と思わせたら、初めて使おうかなと思う」とニヤリ。現役時代に球団最多2586試合に出場した指揮官が、春季キャンプで2カ月の成果を鋭くチェックする。【伊東大介】