ロッテ中森俊介投手(19)が1軍の秋季練習で汗を流している。

明石商(兵庫)時代に甲子園を沸かせて昨年ドラフト2位で入団するも、プロ1年目は1、2軍ともに公式戦の登板がなかった。

「今シーズン、2軍でも投げられなかったので。全然チームに貢献できてないなっていう部分が気持ちの部分でもあったので、来シーズンは少しでもチームに貢献できるように、技術もそうですけど、体もしっかり作っていこうと秋季練習に取り組んでいます」

ウエートトレーニングや体幹のトレーニングをしながら、投内連係などに参加。「シート打撃ではたまに投げていた感じですね」としつつ、基本的には体作りとフォーム固めに取り組んでいた。

その歩みは、1年先輩の佐々木朗希投手(20)とも重なる部分が多い。今季3勝の右腕は、1年目は球団の育成計画に沿って肉体強化に励み、2年目のステップアップにつなげた。投手として、試合で投げたい気持ちをどう抑えてきたのか。中森は「抑えようとは思っていなかったです」と即答した。今やるべきことに徹した。

土台作りに励む中、明石商のチームメートだったオリックス来田涼斗外野手(19)が、高卒新人初となるプロ初打席初球本塁打の衝撃デビューをした。驚いた。「刺激になりますけど、あまり地元に帰りたくないですね」と笑った。「来田がめっちゃ活躍してるのに、お前1年間何してるんだよ、みたいな。来田がハードル上げちゃいました」。

潜んだ2021年をムダにはしない。宮崎でのフェニックス・リーグで実戦経験を重ね、150キロ超をマーク。「最後に先発もしたんですけど、2回持たずに降板しました」と反省しつつ「いい感覚で投げられたのは良かったです」と、つかんだものも多い。

「やっぱり、やるからには1軍で活躍したいので」

そのための1年間だった。【金子真仁】