ヤクルトの「SDGs」が、2日連続の大活躍を見せた。ドミンゴ・サンタナ外野手(29)は、2回先頭で右翼へ2戦連発となる先制ソロ。ホセ・オスナ内野手(28)も、同点の6回2死一、二塁で中前へ決勝適時打を放った。9回は守護神スコット・マクガフ投手(32)が締めた。日本シリーズでは、アルバート・スアレス投手(32)もベンチで控える。今季のヤクルトはなぜ助っ人外国人選手がそろって活躍できるのか。その理由を探った。

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一枚岩が、“持続可能な”強さを生み出す。スアレスの「S」、ドミンゴ・サンタナの「D」、ホセ・グレゴリオ・オスナの「G」、スコット・マクガフの「S」で「SDGs」。4選手が助っ人として、日本一を目指すチームを支える。

スアレスとマクガフはともに来日3年目。だがサンタナとオスナは、今年海を渡ってきた。しかも新型コロナウイルスの影響で、春季キャンプは不参加。初出場はともに4月23日だった。ビザの関係で家族が同行できず、単身での戦いを強いられた。慣れない環境で孤立する可能性もある。しかし、ヤクルトの伝統的な風土である“ファミリー球団”の精神が、助っ人を救った。

合流初日から日本人選手があいさつを交えて積極的に声がけ。来日2試合目でサヨナラ打を放ったオスナは「全員にとても温かく迎えられた。本当に素晴らしい対応というか、チームに入れたと思う」と語るほど、すぐに溶け込んだ。この日の2回、外角高め直球を右翼席へたたき込んだ際にも飛び出したサンタナの「ヒゲ」ポーズや、オスナの「ハートマーク」も浸透。みんなでやって盛り上げる。一体感は守備でも同様。一塁手のオスナはピンチ時も他の野手と一緒にマウンドに集まる。「山田が通訳してくれるよ」とニヤリ。試合前の声出しでは、嶋がオスナやサンタナにネタを仕込んだ。一言で爆笑を生み、一体感を強めている。

みんなが親切に接してくれるからこそ、チームのために頑張れる。同点の6回2死一、二塁で中前へ決勝打を放ったオスナは「主軸の山田選手、村上選手、青木選手が打てないときに僕たちがカバーしている。僕やサンタナが打てないときはみんながカバーしてくれている。それこそがチーム」と謙虚さを持った。国籍は関係ない。チームスワローズで、あと1勝をつかみ、みんなで歓喜の輪を作る。【湯本勝大】

ヤクルト「SDGs」外国人4選手 スアレス、サンタナ、オスナ、マクガフ―>

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