甲子園そっくりなグラウンドで次世代スターを育てる。阪神が25年2月から使用を目指す若虎の新本拠地の全容が明らかになってきた。鳴尾浜球場から兵庫・尼崎市の阪神大物(だいもつ)駅近くの小田南公園への移転に向けて、同市が近隣住民への説明会を行った際の資料を公表した。

メイン球場は両翼95メートル、中堅118メートルと甲子園球場と同サイズ、同方位で内野は黒土、外野は天然芝。照明も来季から甲子園でも使われるLEDを採用し、広さや太陽の位置などを体に染み込ませる。客席は3600席で、引退試合など特別な場合には外野に臨時で800席を設ける。1階にはグッズショップ、2階には売店も作られる。

室内練習場は延べ床面積6160平方メートルと広く、打撃練習レーンが最大6カ所、ブルペンも6レーンあり、空調機器もある。地上3階建ての寮は38室あり、室内トレーニングルームも備える。いつでも好きなだけ練習できる環境となる。

尼崎市の担当者は「球団の意見を多く取り入れた施設となりました」とかゆいところに手が届く施設になったと説明。「昔からの阪神ファンは2軍がまた尼崎に帰ってくると楽しみにしています」。現在の鳴尾浜に95年に移転するまでは尼崎・浜田球場が2軍本拠地だった。地元の歓迎ムードも高まっている。若虎たちには申し分ない虎の穴ができる。【石橋隆雄】

◆阪神新2軍施設のそのほかの仕様

▼メイン球場 球場外周防球ネット(最高で高さ55メートル)、録画機能付き監視カメラ(観客席、球場周辺)

▼室内練習場 鉄骨造の地上1階建て。最高19メートル。内野グラウンド、コンディショニングエリア1カ所

▼選手寮兼クラブハウス 鉄骨造の地上3階建て。ロッカールーム(1軍選手含む)、食堂、浴室、ミーティングルーム、リハビリ室。駐車場75台