バースデー婚から完全復活へ。阪神大山悠輔内野手(27)が結婚したことが19日、分かった。誕生日を迎えた同日、三重県出身の梨子(りこ)さん(24)との3年間の交際を実らせた。

1年間主将を務めた今季は負傷にも苦しみ、首位ヤクルトにゲーム差なしの2位でフィニッシュ。つらい時期を支えてくれた愛妻のためにも、来季は17年ぶりのV奪回へ突っ走る。

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2人の門出を祝うかのように、空は青く澄み渡っていた。27歳の誕生日。大山は3歳下の梨子さんと2人、婚姻届を提出した。

「頑張るのは当たり前のこと。ただ、これからは1人じゃない。今まで以上に覚悟を持ってやらないといけないと思っています」

虎の主砲は節目の1日を迎え、キリリと表情を引き締め直した。

出会いは約3年前、プロ2年目の秋季キャンプを終えた直後の18年11月下旬。焼き肉店で知人から紹介され、自然と人柄に引かれていった。「常にプラス思考ですてきだな、と」。24歳の誕生日だった18年12月19日、交際を申し込んだ。

「僕たちの世界はどうしても毎日浮き沈みが激しくなってしまうけど、彼女はいつだって僕を前向きにさせてくれる」

2年前から兵庫県内で同居を開始。努力家の大山でさえ「決めたことをしっかり頑張れる強さがある」と驚く梨子さんは栄養管理にも気を配り、いつの間にかアスリートフードマイスターの資格も取得してくれていたのだという。

1年間主将を務めた今季は打率2割6分、21本塁打、71打点。9月の甲子園巨人戦で逆転サヨナラ弾を放つなど何度も劇的勝利に導いた一方で、5月と10月は背中の強い張りにも苦しめられた。「良くない日が多かった」という1年間、懸命に支えてもらった感謝は尽きない。

「打てなくても家に帰る時にはなるべく持ち込まないようにしているけど、やっぱり出てしまう時もあった。そんな時も『今日ダメだったわ』と言ってしまったら『じゃあ明日頑張ればいいじゃない』と笑顔で背中を押してくれて…」

今年の夏、108本のバラを携えてプロポーズ。7月にはコーヒー好きの大山が命名したという子猫「ラテ」も新しく家族に加わり、苦悩の時期を乗り越えられた。スパイスから調合する愛妻特製のカレーライスはパワーの源。来季の巻き返しへ、モチベーションには事欠かない。

チームは21年を首位ヤクルトにゲーム差なしの2位で終えた。秋季練習では本職の三塁、一塁に加え、左翼練習も開始。悔しさを晴らすためなら、どんな役割でも受け入れるつもりだ。「とにかくチームのことを考えたい。本当に優勝したい。それだけです」。大山の決意は揺るぎない。

◆108本のバラの意味 108は「とわ」と読めるため、永遠(とわ)の愛を誓うプロポーズに使われるようになったといわれる。バラの花言葉は「愛」や「美」で、特に赤いバラは「あなたを愛しています」「愛情」などの意味があるためよく用いられる。バラは色の違いだけでなく、1本だと「一目ぼれ」、3本は「愛しています」など贈る本数によっても意味が変わる。

◆大山悠輔(おおやま・ゆうすけ)1994年(平6)12月19日生まれ。茨城県下妻市出身。つくば秀英では投手兼内野手で2年夏に県8強。最速143キロで高校通算27本塁打。白鴎大では1年春から三塁手で出場し通算16本塁打。4年時には侍ジャパン大学代表の4番。16年ドラフト1位で阪神入団。20年はキャリアハイの打率2割8分8厘、28本塁打、85打点。181センチ、89キロ。右投げ右打ち。