西武平良海馬投手(22)が、年俸1億円の大台に到達した。23日、球団の大トリで契約更改を行い、4200万円から倍増以上の5800万円アップとなる1億円でサインした。

高卒5年目シーズンでの大台は救援投手としては2人目で、楽天松井に並ぶ最速。今季は連続無失点試合の日本記録更新など、記録ずくめだった剛腕は、昇給の使い道に“プチぜいたく”を口にした。(金額は推定)

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守護神らしく大トリ更改で、大台到達を勝ち取った。平良が年俸1億円でサイン。今季から倍以上、1年目の600万円からは16・7倍となった。1軍で頭角を現した頃から、投球分析機器のラプソードを自費購入するなど自己投資してきた右腕は、昇給の使い道に「特に高級な物を僕はあまり買うタイプではないので、コンビニ行ったら値段見ないで買うみたいなプチぜいたくしたいです」と笑顔で言った。

文句なしの活躍を見せた1年だった。開幕から39試合連続無失点で、日本記録を塗り替えた。東京五輪では侍ジャパンの一員として金メダルを獲得。シーズン途中に中継ぎから抑えへ配置転換されたことで、史上2人目、パ・リーグでは初の「20セーブ+20ホールド」を達成した。62試合で3勝4敗20セーブ21ホールド、防御率0・90と無双の結果を残し「評価はもう、本当にありがたく思っていますし、それに応えるために来年も活躍したいと思います」と来季を見据えた。

高校卒業から4年。自分とも、野球とも向き合い濃密な時間を過ごしてきた。1軍初登板からは3年。「体の張りや調子がだんだん分かってきた。コンディションを保てる方法みたいなもののコツを、ちょっとつかんだ気がします」。肩肘の状態などを含め、ブレーキとアクセルの踏み分けを覚えた。東京五輪では、トップ選手の調整方法を目の当たりにし、貪欲に吸収。着実に成長した姿が、1億円という数字に表れた。

現時点では、来季の役割は抑え続投が濃厚。求める投手像には、今季沢村賞&MVPを獲得したオリックス山本の名前を挙げた。「MVPをとった山本選手。支配的なピッチングだと思うんで、そういうピッチャーになりたいなと思います」。マウンドから打席までの18・44メートルの空間を制し、さらなる高みを目指していく。【栗田成芳】

○…入院先から、異例のリモート契約更改となった。10月下旬に右足首の手術を受け、秋季練習には参加していたが、患部にばい菌が入った影響で11月下旬に再び入院。この日も都内の病院でサインし、オンライン会見に臨んでいた。「キャンプに合わせて、という感じではなく、開幕に合わせてという感じでやっていきたいと思います」と焦らず調整していく。

▼来季5年目の西武平良が1億円で契約更改。平良は通算142試合で先発経験がない。救援投手が高卒5年目で年俸1億円に到達したのは、入団2~4年目に3年連続30セーブ以上をマークした松井裕樹(楽天)に並ぶ最速となる。