ロッテ中森俊介投手(19)の2年目が間もなく始まる。キャンプインに備え、すでに沖縄・石垣島入り。29日の自主トレ後に、リモート取材に対応した。

まずはB組(2軍)でスタートするものの、意気込みは強い。「しっかりと体を作り上げてきたので、首脳陣の方々にアピールできるように頑張りたいです」。マスクの位置を直した腕っ節が、たくましくなったように見える。筋肉量は1年で約3キロ増えた。

明石商(兵庫)時代は甲子園に3度出場し、当時チームメートの来田(現オリックス)とともに世代の先頭を走った。ドラフト2位でロッテ入りした昨季、公式戦登板はなかった。1歳上で高卒ドラフト1位の佐々木朗希投手(20)と同様に、肉体強化に専念。秋のフェニックス・リーグでようやく、NPB球団相手に実戦登板を果たした。

佐々木朗は2年目に先発経験を重ね、最後にはCSでも先発した。中森は2年目、先輩と近いプロセスを求めるのか。それとも。

「初めからすぐ1軍に上がって、というのは自分でもまだ全然想像できてないので、まずはしっかり2軍でローテーションで回って投げられたらなと思っています。去年2軍でも1回も投げてないので、しっかりイニング数を投げられたらなと思っています」

これが今の中森の答えだった。1年前の入団直後、プロ1年目の目標を「15勝」と、若者らしく大胆に設定した。“立ち上がり”を終え、言葉を少し現実的に戻した。地元の兵庫・丹波篠山市のふるさと大使に就任。昨年は冠協賛の「黒豆ナイター」も行われた。今後、そこへの思いは。

「1軍でそういう試合を開催していただけるのは本当に光栄なことですし今年中にその日に投げられるか分からないですけど、いつか開催していただける日に先発できるように」

景気よく「ぜひ今年!」とは言わない。高校時代も観察力や洞察力がNPB各球団から高く評価された右腕。1年がたち、言葉にも落ち着きが出てきた。力は付けている。オフは石川歩投手(33)らの自主トレに参加し、体幹と球の強さを磨いた。「徐々にですけど、上げていきたいなと思います」とアクセルも様子を見ながら。さすがのセルフコントロールに、逆に期待が高まる。【金子真仁】