「4番バトル」は1歩リード! 阪神は2月28日、沖縄・宜野座キャンプを打ち上げ、開幕4番候補の佐藤輝明内野手(22)が「100点」と2年目の成長に大きな手応えを得た。実戦ではチーム打撃3冠に輝き進化を証明。矢野監督も認める好調ぶりで、大山悠輔内野手(27)との4番争いで先行した。

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沖縄での練習漬けの1カ月を終えた直後でも、佐藤輝の心はメラメラと燃えていた。大山との「4番三塁」争いについて問われると熱い思いがほとばしった。

「結果を出すことしか、そこにいく道はないと思う。与えられた場所で、外野でも内野でも、何番を打ってもしっかり打って、そこにいきたいという思いはあります」

沖縄では紅白戦を含む実戦全9試合に出場し、31打数14安打で打率4割5分2厘、2本塁打、5打点。「チーム打撃3冠」に輝く好調ぶりだった。矢野監督も「安定して結果を出しているというところで言えば、テルの方が結果が出ている現状になっている」と4番争いで1歩リードを認めるほど、快音を連発させてきた。

2年目の心の余裕が成長を後押しした。佐藤輝は「去年は結果を出すことに無我夢中なところがあった。今年はやるべきことに集中できた」と言う。新任の藤井康1・2軍巡回打撃コーチとフォームを固め、飛距離ではなく形にこだわった。打撃練習でも柵越えは眼中になかった。「理論できちっと、頭で理解して振ることを1カ月間やってきたので、波が少なくなった」。1年間戦う基礎をじっくりと作り、自信も深まっていった。

心のゆとりは新たな一面も引き出した。後輩に求められれば惜しみなくアドバイス。一方で「みんながいい意味でテルをイジりながらやれば、応えることが出来るのも成長」と指揮官は証言。チームに欠かせないキャラクターとしても存在感を放った。

佐藤輝は充実の1カ月を「100点です!」と自己採点。「非常にスッキリした気持ち。すごく充実した1カ月になった」と晴れやかな表情で言った。「関西に帰ってやりたいこと」を問われると「練習です!」と早くも戦闘モード。3月初戦は4日の楽天戦(甲子園)。たくさんの収穫を得て、4番バトル第2章へ向かう。【中野椋】