ロッテ佐々木朗希投手(20)が良薬を得て、ペナントレースに入る。5回2死満塁、巨人岡本和に逆転満塁弾を浴びた。直前2打者に160キロ近くで押し続けながら計11本のファウルを打たれ、連続四球からの被弾。「ああいうところをシーズン前に経験できて。もう1回ビデオを見直してシーズンにつなげられれば」と気を引き締めた。

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強烈な“東京、見参”だった。初回、いきなり161キロを2球続け、ボール球ながらスタンドをざわつかせた。3回には自己最速タイの163キロもマーク。首都圏での試合での160キロ台も初めてだ。「適応するのが大変だったと思います。気圧だったり、マウンドだったり」と本人は振り返ったが、観客1万1665人の注目を独占した。

2万2520人の1人にすぎなかった。15年9月1日、大船渡一中の修学旅行で東京ドームを訪れた。「日本ハム対ロッテ戦を見たのを覚えています」。“井口選手”が一塁を守る試合だった。その後に股関節を痛め、ストレッチを強化。希代の直球を生み出す柔軟性を得た。6年半後、108球を投げても直球平均が159・6キロという大物に育った。

試合後、井口監督は「ちょっと自分の理想の投球を求めすぎたんじゃないですかね」とし「もっと大胆にいっていいところ」と5回の失点を指摘した。今年ここまでの実戦で141球の直球を投げ、約49%の69球が160キロ台。十分にゾーンで勝負できる状況に仕上がってきた。開幕3戦目、27日の楽天戦(楽天生命パーク)の先発でスタートを切る見込み。いよいよ、毎週のように野球ファンをどよめかせる1年が始まる。【金子真仁】