西武ドラフト1位の隅田知一郎投手(22)が7回無失点の好投で、プロ初勝利を飾った。

【ニッカン式スコア】26日の西武-オリックス戦詳細スコア

隅田は家族への思いが強い。練習で使用するグラブには「弘悦知大葵」と刻まれている。父弘之さん、母悦子さん、長男である自身の知一郎、次男大海さん、妹葵さん。その名前の頭文字だ。「家族から野球をやっていて、文句を言われたことは1回もない。まずは家族にいい思いをさせてあげたいと思いますし、やっぱり初心が大事」。家族への感謝が根底にあり、隅田は投げる。

契約金も恩返しに使う。両親に何かプレゼントをするつもりだったが「何もいらないよ」と断られてしまい、別の形を模索。葵さんに大学に行くことをすすめた。この春から進学に必要な4年間の学費、約500万円を全額払うことにした。「親に何かしてあげたいなという気持ちもありましたし、妹にも進学してほしい気持ちもあったので」。

この日の初勝利のボールも、母方の曽祖父の仏壇に飾る。3月16日に亡くなったばかり。病室には自身の写真や色紙が飾られていた。いつも応援してくれていた存在だった。「いい報告ができた」。そうしみじみ言って、さらなる活躍への思いを強くした。【上田悠太】