今年も失敗しません! 広島守護神の栗林良吏投手(25)が2点リードの敵地DeNA戦(横浜)の9回に登板。2四球から適時打を許し、7-6と迫られたが、後続を断った。22年初セーブを記録し、安堵(あんど)の大きな息をついた。昨季はセーブ失敗が1度もなく、37セーブで新人王に輝いた絶対的ストッパー。“失敗しない男”の2年目が幕を開けた。

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薄氷をわたった22年初セーブに、栗林は大きな息をついた。「(内容は)良くないけど、チームは勝ったのでその点はよかった」と安堵(あんど)の表情を見せた。

2点リードの9回、今季初の出番が回ってきた。先頭の関根を四球で出すと、1死一塁から楠本にも四球。2死一、二塁までこぎ着けたが、牧に中前適時打を許し、7-6と1点差に迫られた。「本塁打だけは注意していた。本塁打ではなかったので結果オーライ」。2死一、三塁と長打で逆転サヨナラの場面で宮崎を一邪飛に抑えて初セーブをマーク。「今日はチームに助けられた1セーブ。これから自分の力で(セーブを)取れるようにしたい」。勝利のハイタッチでは、ナインにお辞儀を繰り返した。

2年目を迎えて昨季と変わらないもの、変わったものがある。「ピッチャー栗林」がコールされると、リリーフカーに乗り、ベンチ手前に姿を見せる。ファウルラインをまたぐ時と、投球練習前に一礼するルーティンは昨季と変わらない。変わったのはメンタル面だ。「ゼロで抑えるのが一番だけどメリハリを。逆転されないところは逆転されないように」。点差に応じて気持ちを変え、登板するようになった。この日も1点差に迫られたがリードは守った。負けなければいい。心の余裕という、新たな武器を身につけた。

ルーキーイヤーの昨季はセーブ失敗が1度もなく、37セーブで新人王に輝いた。今季は絶対的守護神としての期待が、より大きい。「(2年目で)背負うものもあるし、負けたくない気持ちも去年より強い。チームの良い状態を自分の一投で崩してしまうこともある。それを良い方向に持っていけるようにやりたいと思っている」。2年目の栗林に“ジンクス”は存在しない。今季も最終回に堂々立ちはだかる。【前山慎治】