仙台に一足早く“ハル”がやってきた。楽天西川遥輝外野手(29)が、「1番左翼」で先発し3打数2安打3打点1盗塁。走者として2得点も記録し、合計5得点に絡む活躍を見せた。今季新加入のリードオフマン。楽天生命パークでファンの心をわしづかみにした。

【ニッカン式スコア】27日の楽天-ロッテ戦詳細スコア

最高気温14度、この時期の仙台としては少し暖かい気候の中、西川が躍動した。1点を追う3回1死一、二塁。名前がコールされると、“ハルキタオル”のピンク色にスタンドが染まった。「いろんな人の支えがあってここまで来られた。本当にいろいろな方々に感謝しています」。2ストライクからロッテ佐々木朗の真ん中に入った143キロスライダーを振り抜いた。右翼へ2点適時二塁打を放ち、送球間に三塁へ到達。桜の花びらのように揺れるタオルに背中を押され、加入後初安打で、今季チーム初得点をもたらした。

第1打席は160キロの直球を空振り三振。「最後の最後まであの球は頭から消えなかったです」と打ち明ける。それでも変化球に体で反応。6回先頭で迎えた第3打席は冷静に四球を選んだ。直後山崎の打席では、ヘッドスライディングで二盗に成功。1死二塁ではロッテ外野陣が前進守備をする中、浅村の左前打で一気に生還した。1点を追う9回1死一、三塁では中堅フェンス際に同点の犠飛。得点に絡み続け、延長11回サヨナラ勝ちに貢献した。

試合後は楽天のユニホームを着て、初めてお立ち台に立った。「今日みたいな熱い試合をしたい。最後まで見に来てくれたファンのみなさんありがとうございます」と白い歯を見せた。完封負けした開幕戦から中1日。チームに春を呼び込む活躍だ。9年ぶりの優勝と日本一へ。今季のチームの先頭には、心強いハルキがいる。【湯本勝大】