楽天銀次内野手(34)が代打決勝打を放ち、チームを4連勝に導いた。0-0で迎えた9回1死二塁の場面で、代打出場。中前へはじき返し、これが決勝適時打となった。今季は代打で2打数2安打。打率10割と無類の勝負強さで“代打の神様”になろうとしている。4連勝を収めたチームは2位に浮上。1日から首位ソフトバンクとの3連戦に挑む。

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甘い球を見逃さず、一発で仕留める。楽天の仕事人・銀次の集中力は極限状態に達していた。「甘い球をしっかり一発で仕留めるっていうのは、自分の今年の1つのテーマでもあったので、それがしっかりヒットゾーン飛んでくれたのは良かった」。0-0で迎えた9回1死二塁。1点差勝負の絶好機で託された。2球続けてフォークを見送りカウント1-1。3球目、外角の直球を中前へ運んだ。

二塁走者・島内が生還し、送球間に二塁進塁をもくろんだが、タッチアウト。リクエストでも覆らず苦笑いとなったが、殊勲打は色あせない。チームを4連勝に導き「そりゃうれしいですよ。自分のバットで勝てたことがすごくうれしいです。それ以上はもう、ないと思います」。しびれる場面で結果で応えるには、地道な準備の積み重ねがあった。

昨季はスタメン23試合に対し、代打12試合。今季はより代打出場が増えることに備え、球場入りする前の宿舎から入念にストレッチ。体のケアには余念がない。試合前の打撃練習では、代打出場を想定し1球目にこだわる。スタメンに比べて圧倒的に減る運動量を補うため、ランニングをこなし、ノックでは技術力アップだけでなく、体力強化にも比重を置く。

銀次は「いつ出てもいい準備は自分の中でしっかりしていたので、それがつながったのかなと思います」と、“代打の神様”になりつつある。チームは4連勝で勢いをつけ、本拠地・仙台で開幕6連勝中の首位ソフトバンクを迎え撃つ。【栗田成芳】