オリックス吉田正尚外野手(28)に、待望の今季1号が飛び出した。2点を追う4回無死一塁で、西武エンスの146キロストレートを捉え、右中間スタンドに運ぶ同点2ラン。5回2死一、三塁では決勝打となる二塁への適時内野安打を放った。主砲の3打点でチームは3カードぶりの勝ち越しを決め単独4位。3位ロッテに0・5差に迫り、Aクラス浮上も見えてきた。

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顔色1つ変えずに4つのベースを回っても、仲間の祝福に吉田正の“仮面”ははがれた。白い歯がこぼれる。「行けえ~と思って走っていました。1本スタートしないと。場面的にもいいところで出ましたし」。16年のプロ1年目から6年連続2桁本塁打を残してきた強打者でも、シーズン1号は特別だった。

「やっぱり任せられた以上結果も出したいし、それが今のこの順位になってると思うんで」と思いを吐露。18試合目の1号は、新人だった16年の自身出場27試合目に次ぐ遅咲き弾。球界屈指のミート力が、吉田正の代名詞。だが1週間前、ロッテ佐々木朗の投球に手も足も出なかった。悔しい記憶も力にする。「自分のスイングを。いいスイングができてくれば自然とよくなってくるとは思っているので」とぶれない。

「よかったですね。本当に。本人もすっきりじゃないですけど、まだもやもやしてると思いますけど、上がってくるんじゃないでしょうか」と中嶋監督も期待を込める。ロッテが通常の先発ローテーションなら、24日に佐々木朗との再戦も巡ってくる。戦いは、これからだ。【堀まどか】