昨年の春秋王者・東農大北海道のダブルエースが集大成のシーズンに臨む。19年全日本大学選手権4強に導いた林虹太(4年=佐久長聖)、伊藤茉央(4年=喜多方)は23日の開幕へ「まず北海道で優勝し、もう1度、全国で勝ちたい」と声をそろえた。

昨年は2年ぶりに春秋連続リーグ制覇。林が春の最優秀投手、伊藤は秋の最優秀選手に選出も、6月の全日本大学選手権は準々決勝で上武大に、11月の明治神宮大会は初戦で慶大にコールド負けと全国との差を思い知らされた。慶大戦先発の林は人生初の2者連続本塁打を浴び「人生初の経験。2本ともストレート。それまで抑えられていたので過信した」。6回から登板の伊藤茉は1回1/3、6安打5失点で降板。「いつもと違う環境の中で、球が浮いてしまった」と反省した。

失敗を糧に進化した姿を披露する。林は明治神宮大会後、佐久長聖時代の先輩で昨年、プロデビューした、ヤクルト元山優飛内野手(23)の助言を生かす。「2年の冬、母校で会ったとき『球速がない投手はカーブの使い方が重要』と言われていた。慶大戦は武器のカーブを生かせていなかった。先輩の言葉を思い出した」。伊藤茉は同じ右横手投げの元ヤクルト林昌勇の動画で研究し「速球で押す投球や、外を生かす意識を高めてきた」と振り返る。

卒業後は林は社会人、伊藤はNPB入りを見据える。ともに「大学最後の年に日本一を」と誓う。両右腕が19、21年に続く3度目の春秋リーグ制覇と、3年前、届かなかった大学王座をたぐり寄せる。【永野高輔】

◆22年北海道6大学春季リーグ 北海道教大旭川が、大学方針で部活動禁止になったため開幕第1節を辞退しており、対戦予定だった北洋大は不戦勝。開幕節は2試合ずつ行い、23日が函館大-旭川大(午前10時)、東農大北海道-北海道教大函館(午後1時)、24日は旭川大-函館大(午前10時)、北海道教大函館-東農大北海道(午後1時)。いずれも苫小牧・とましんスタジアム。最終第5節は、5月21、22日に同スタジアムで行う予定。優勝チームは全日本大学選手権出場権を獲得する。