専大が、タイブレークの末に東洋大に先勝した。

専大の先発、ドラフト候補に挙がる菊地吏玖(りく)投手(4年=札幌大谷)と、東洋大の先発、最速154キロ左腕・細野晴希投手(3年=東亜学園)のエース対決は、9回を終わっても決着がつかず、スコアボードには0が並んだ。

延長10回、タイブレークに入り、専大は、細野から代わった柿本晟弥投手(2年=東洋大姫路)、河北将太投手(4年=浦和学院)を攻め、1死二、三塁から、今里凌内野手(4年=専大松戸)の中犠飛で先制。なお2死三塁で中尾拓士内野手(3年=大分)が右前適時打を放ち、貴重な追加点を奪った。投げては、菊地が10回裏を1失点で切り抜けた。最後の打者を力強いまっすぐで空振り三振に抑えると「やっと勝てた」と、マウンド上で雄たけびを上げた。

自信をもって臨んだマウンドだった。前回の登板からリリースのイメージを修正。菊地は「はじくイメージにして、体もつながってきた。球速表示以上の力があったと思う」と、10回を4安打1失点。力強い真っすぐを軸に、制球良くコーナーに投げ分けた。この日の最速は149キロ。後半からは「これまで使っていなかった」というフォークの手応えをつかみ、15奪三振を奪い、白星を挙げた。斎藤正直監督(62)も「1、2日前から調子が戻ってきたので、心配はしていませんでした」とエースに大きな信頼を寄せ、マウンドに送り出していた。

プロ10球団が視察に訪れる前での好アピール。「きっちりとコントロールしていけば、打たれることはない。ピンチには気持ちを入れて投げられました」。経験を積み、成長を続ける。「もっと完璧に近く抑えたいです」と、貪欲に高みを目指す。【保坂淑子】