ライアンが虎キラーぶりを発揮した。ヤクルト小川泰弘投手(32)は、阪神佐藤輝に変化球を二塁打とされた4回1死二塁、続く大山の内角を突いた。「攻めの気持ちで投げられたから、詰まらせられたのかなと思います」。左翼への大きな飛球となったがフェンスを越えさせなかった。さらに「1歩も引かずに投げよう」と、続く糸井を直球で空振り三振。ピンチを脱し、主導権を渡さなかった。

阪神打線は3日の対戦で完封していた。前夜は序盤の失点が響いて大敗しただけに、立ち上がりは慎重さが求められる。「アプローチは変えずに自分の投球を大事にしました」。直球でファウルを打たせ、チェンジアップ、カーブ、フォークと変化球を散らして緩急をつけた。3、4、5回と得点圏に走者を背負いながらも、要所を締めた。

5月は計23回を投げて1失点と3試合連続で好投を続ける。開幕直後は苦しんだ。防御率は3月が12・00、4月が4・50。そして5月は0・39。尻上がりに調子を上げている。「32歳を白星でスタートできてよかったです」。16日の誕生日には、高橋からワインをプレゼントされるなど同僚に祝ってもらった。今度は自分自身に、今季2勝目を贈った。

リリーフもゼロを並べ、チーム防御率2・84はリーグトップの数字。高津監督は投手陣に対して「これで頑張ってないと言ったら怒られる。ちょっとライバル心をみんなが持ちつつ、一丸となって何とか抑えてやろうというのが伝わってきますね」と目を細める。今季、本拠地神宮でやっと、3連戦を勝ち越した。【鎌田良美】

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