負けると最下位が決まる日大。負けるわけにはいかない。中大との、意地と意地とのぶつかり合いが続く試合を、河村唯人投手(4年=日大三)が守り切った。

9回裏、2死一、二塁。一打サヨナラのピンチに「お前しかいない」と片岡昭吾監督(43)に背中を押されマウンドに立った。「気持ちは入っていた。自信を持って投げました」。持ち味の外角直球を投げ込み、空振り三振に仕留めると、マウンドでガッツポーズを作った。

どんな場面でも投げる気持ちはできていた。第4週の亜大戦で2連敗した後のミーティング。片岡監督の「4年生がしっかりやらなきゃダメなんだ」という言葉が、河村を奮起させた。「この2週間、その言葉を忘れずにずっと準備してきました。マウンドに上がった時は、本当に気持ちが入っていました」。チームのために投げる。堂々と中大打線に立ち向かい、勝利に導いた。

日大は、中大に2連勝し、勝ち点2を挙げ、4位に浮上。勝率で青学大、中大と並び、24日からの三つどもえのプレーオフに持ち込んだ。片岡監督は「我々は開幕2連敗から始まり、苦しいゲームをずっと乗り越えてきたところでチームが上がってきた。試合の中でも1人1人が諦めずにやっている。最後は1点勝っているという気持ちで戦いたい」と意気込んだ。1部残留へ。日大の、負けられない戦いは続く。