観客2万2000人が集まった伝統の早慶戦で、慶大が打ち勝った。萩尾匡也(まさや)外野手(4年=文徳)、下山悠介主将(4年=慶応)が本塁打をマーク。今春リーグ戦12試合で15本塁打と打力で圧倒する。早大は、今秋ドラフト候補・蛭間拓哉外野手(4年=浦和学院)が今春1号となる先頭打者弾を放ったが、逆転負けを喫した。

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慶大打線のパワーを、存分に見せつけた。1点を追う初回2死一塁、今秋ドラフト候補の4番・萩尾が2球目の直球を完璧にとらえて逆方向の右翼席へ2ラン。すぐに試合をひっくり返した。「理想通りに直球にコンタクトできた」と手応えあり。

打線は今春12戦でトップの計15本塁打と圧倒的な打力を誇る。昨秋まで通算1本塁打の萩尾は一気に4本。「なんでですかね?」と首をかしげる主砲に、堀井哲也監督(60)は「素質が開花したんだよ。芯に当たらなくても本塁打になる。(現ソフトバンク)正木、(3番の)広瀬以上のものがある」と声をかけた。開幕前に出された指令は「広瀬と萩尾で10本塁打」で、残り2本。高校通算46本塁打の萩尾は「リストが強いので、タイミングが遅れても(手首を)返せば飛ぶ。目の前の打席に集中したい」と目標達成を意識した。