巨人が「朗希キラー」の1発で、完全男を完全攻略した。「日本生命セ・パ交流戦」でロッテと対戦。1点先制した直後の3回、4番岡本和真内野手(25)が、佐々木朗希投手(20)から今季初本塁打となる16号2ランを放った。今春オープン戦の満塁弾に続くアーチで、10試合目の登板で初黒星を付けた。主砲が本塁打&打点でリーグ2冠に立つと、打線は佐々木朗からプロ初の三盗を決めるなど計6盗塁。V9最終年の73年以来49年ぶりの足攻めも生かし、15安打10得点はともに今季最多タイとなった。

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4番の風格にあふれるゆったりとした確信歩きだった。岡本和が令和の怪物を打ち砕いた。1点リードの3回1死二塁。2球連続159キロ直球が外れた後の3球目。外角高め141キロフォークを振り抜いた。すぐに柵越えを確信。1歩、2歩、3歩…。打球を目で追いながら、表情を変えずにペロリと唇をなめた。

右中間スタンドにかっ飛ばす飛距離128メートルの16号2ラン。完全男から完璧な1発を今季初めて浴びせた。「あそこまで速いとなかなか球種を待ちながらということができない。直球を待つ中でなんとか対応していこう」と体が反応。値千金の一打でリーグ単独トップの16本塁打、打点もトップのヤクルト村上と並ぶ43に乗せ、2冠へと突き進む。

“朗希キラー”が止まらない。3月18日のオープン戦、佐々木朗の159キロ直球を、この日と同じく東京ドームの右中間にぶち込み、満塁本塁打を放った。直球にフォーク。2つの武器をいずれもスタンドまで運んだ。2試合で6打数3安打2本塁打と抜群の相性を誇るが「オープン戦はオープン戦と割り切っている」と冷静にコンパクトなスイングを貫いた。原監督も「本来のあっち(逆)方向に大きなのが出る時はいいですね」と右翼方向へ今季5本目のアーチを評価した。

平日では今季初めて4万人を超える観客が注目したパ・リーグの若き剛速球右腕とセ・リーグの2年連続2冠の対決。岡本和自身も、ワクワクしていた。「なかなか(打席に)立てるものでもない。すごい投手と対戦するときは、『打ってやろう』という気持ちで打席に立っている」と高ぶる気持ちをバットに乗せた。両リーグを代表する“怪物対決”に完全勝利。4番岡本和真が“歴史的怪物”にまた1歩近づいた。【小早川宗一郎】

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