ヤクルトが村上宗隆内野手(22)の決勝打で逆転勝利を収め、1日で再び交流戦単独首位に立った。3-3の同点で迎えた8回の攻撃。無死二塁で、4番が右前へこの試合3本目の安打で勝利に導いた。試合前には“タコ”らないために、塩見とともにたこ焼きを3個食べる験担ぎを敢行。その2人がそろって猛打賞の活躍で、交流戦10勝目に12球団で一番乗りし、勝ち越しも決めた。

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タコのおまじないが本領発揮したのは、くしくも「8」回だった。先頭の山田が二塁打で得点圏のチャンスをつくると4番村上が打席に入った。「必死に相手投手を常に打ちたいと思って打席に立っている。そこで何とかいい結果が出て本当に良かった」。執拗(しつよう)な内角低め攻めに対し、カウント3-2から中に入ってきたスライダーを吸い付くように右前へ運び、勝ち越しに成功した。

試合前のベンチ裏で、願掛けを込めた。食事会場には大阪名物たこ焼きが並んだ。塩見とともに「タコらないように、2人とも3つたこ焼き食べて試合に向かったんですけど、2人とも3本ヒットを打てた」。村上は4回、6回に続く決勝打。塩見は5回にこの試合2本目の安打で、同点の走者となり、9回にはダメ押し9号ソロ。その抜群の効果に、ベンチでは2人しておどけて笑ったが、接戦をものにできたのは、2人の力だった。

ミスを引きずらない強さがある。4回に三塁走者として、川端の左飛にタッチアップで飛び出し過ぎて、戻れず三塁タッチアウト。追い上げムードに水を差し「何とかそれを取り返そうと必死に打席に立った」。打っても、タコっても、寝ることで頭をリフレッシュ。翌朝にはリセットして試合に臨み、この試合で打点はリーグトップタイとなった。「昨日負けてまたやるぞという気持ちにチーム全員がなった。勝ちに貪欲に、勝ちにこだわっていると思う」。前夜並ばれた交流戦首位は再び単独トップ。タコらない4番が、けん引する。【栗田成芳】

▽ヤクルト塩見(9回に9号ソロでダメ押し)「3者凡退で終わると向こうに(流れが)いってしまうっていうのもあって、何とか1人でも(塁に)出る気持ちで打席に入りました」

○…ブルペン陣が勝ち越しを呼び込んだ。先発の原が5回3失点。同点の6回から継投を刻みコール、今野、清水、マクガフの4人がゼロ行進でオリックス打線を封じた。これでリリーフ陣は9試合連続無失点。接戦を呼び込む活躍に、高津監督は「リリーフ勝負なったときは負けたくない。6回から4人投げるとみんなが0で帰ってくるのが難しい。味方の援護が入るまで、つないでいけるリリーフ陣はすごく立派」とたたえた。

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